先日、派遣の夜勤でのこと。
深夜の介護施設は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返ります。
そんな中、監視カメラのモニターを見つめる女性スタッフたちが、なにやらザワザワ、キャーキャーと盛り上がっていました(いや、ご本人は本気で怯えていたのですが)。
「何もない空間にオーブが浮かんで映像が乱れたんだけど!」
「夜中に利用者様が、至近距離でレンズをじーっと覗き込んできて、もうホラー映画そのものなんだけど……!」
そんな彼女たちの姿を横目で眺めながら、私は内心「なんか、可愛らしいな」とほっこりしていました(笑)。
実は私、幼い頃は人一倍の怖がりだったくせに、今は幽霊や怪奇現象をまったく信じていないんです。
心理学や量子力学を学ぶにつれ、お化けの「タネ明かし」ができてしまったからなんですね。
ちょっと野暮を承知で、そのタネ明かしをしてみましょう。
心理学的に見ると、ただの光や映像のバグを「お化け」にしてしまうのには、こんな心の働きがあります。

- パレイドリア現象:壁のシミやノイズに、無理やり「人の顔」を見つけようとする脳のクセ。
- 防衛本能による投影:暗闇=危険!という本能から、「ヤバいものがいるかも」と大げさに警告アラームを鳴らす機能。
- 確証バイアス:「幽霊だ!」と思い込むと、ただの機材トラブルもすべて「霊の仕業」に見えてしまう思い込み。
さらに量子力学の視点で見ると、この世界はすべて「エネルギー(波動)」でできています。
空間に残る微細なエネルギーの揺らぎに対し、私たちが「怖い!」という周波数で観測する(観測者効果)ことで、ただの揺らぎが「恐ろしい幽霊」としてバッチリ現実化してしまうのです。
つまり、幽霊を呼び出しているのは、他でもない私たち自身の「心のレンズ」なんですね。
……と、こんな風に理詰めで「お化けの正体は自分の脳とエネルギーの共鳴だ!」なんて語ってしまったら、ぐうの音も出ないわけですが。
でも、ふと思ったんです。
もし世の中の全員が、「あ、それパレイドリア現象ですね」「波動の観測者効果ですね」なんて真顔で言い出したら……そんな世界、めちゃくちゃ面白くないですよね?(笑)

「キャー怖い!」と身を寄せ合ったり、見えない何かにドキドキしたり。
そうやって想像力を膨らませて、なんでもない日常に「不思議な物語」をトッピングできるのも、人間の素敵な能力だと思うんです。
お化けを怖がる女性スタッフたちの姿が可愛らしく見えたのも、きっとその豊かな感情のおかげでしょう。
カメラの映像が乱れる夜。
それを「脳の錯覚」とドライに切り捨てるのも一つ。
「不思議なアート」として面白がるのも一つ。
そして、「お化けが出たー!」とみんなでキャーキャー言って楽しむのも、また一興です。
結局のところ、世界をどう見るかは私たちの自由。
「恐れ」すらもエンターテイメントに変えてしまえるような、そんな遊び心のある心のレンズを持っていたいものですね。
心理カウンセラー 木村裕

コメント