心理カウンセラーの木村裕です。
先日、マラソンの練習会に参加してきました。
1周約5kmの周回コースを4周、みんなでおしゃべりしながら走る20kmランだったのですが……当日はあいにくのザーザー降り。
もしこれ、自分一人で走る日だったらどうしていたか?
ええ、玄関のドアを少し開けて雨を見た瞬間、3秒で
「いやいや、雨の中で走って風邪でも引いたら元も子もないし、そもそもそこまで無理して走る必要なんてないよね!」
と自分に全力で言い訳を並べて、迷わず布団へUターンしていたことでしょう(笑)。
絶対に一人じゃ走りません。
首尾よく(笑)、「みんなで集まって楽しく走る」のがテーマの練習会。
行ってみたら、これがもうツッコミどころと楽しさが満載の、最高の時間だったんです!
お饅頭と、クロックスで爆走する猛者
この練習会、なんと1周(5km)ごとに、各自が持ち寄った「私設エイド(補食コーナー)」が用意されているんです。
お饅頭に、バナナ、果ては雨の中のアイスまで!
「あ、これは〇〇さんが持ってきてくれたお饅頭だな」
「〇〇さんはアイスを選んでくれたんだな」なんて、それぞれの優しさや気遣いを、食べ物を通してしっかりと感じられる。
その人の温かい想いを感じながら味わう楽しさも合わさって、雨の冷たさも忘れて笑いながら走れました。
さらに、そんな愉快な空間には驚きの猛者がいました。
今、マラソン界といえば最新テクノロジーが詰まった「厚底シューズ」が大ブームですよね。
しかし、参加者のお一人が履いていたのは……まさかのクロックス!
最初は冗談かと思ったんです。
でも、「いや、これが一番走りやすいんだよね!」と満面の笑みで言い放ち、そのままザーザー雨の中、本当にクロックスで20kmを完走してしまいました(笑)。
「走る=専用のシューズ」という常識がガラガラと崩れ去り、人の感覚って本当に自由で面白いなと驚かされます。

結局、この世界を作っているのは「心」なんだ
この心の変化について、少し心理学的な面から見てみましょう。
私、一人で練習している時は、20kmなんて最後まで走れた試しがないんですね。
だいたい15〜16km、いっても17kmあたりで
「あ、足が張ってきたな」「ちょっと限界かも」
と見事な言い訳を脳が作り出し、自動販売機の前でジュースを買ってそのまま強制終了、というのがいつものパターン。
でも今回は、雨で条件は悪いはずなのに、あっという間に20kmを完走してしまったんです。
苦しさなんて全然感じなくて、「ただただ、面白かった!」という印象しか残りませんでした。
これって、心理学でいう「社会的促進」や「注意の外部化」と呼ばれる現象なんです。
仲間と一緒に走ることでパフォーマンスややる気が高まるのが「社会的促進」。
そして、一人だと「足が痛い、苦しい」と自分の体にばかり向いていた意識が、仲間との会話やお饅頭へと外に向かうことで、痛みや疲れを感じにくくなるのが「注意の外部化」です。
「雨が降っている」「20kmという距離を走る」という物理的な事実は何も変わっていません。
変わったのは、私自身の「心」の状態だけなんです。

一人で「きついな」と思いながら走る20kmと、仲間と「次はお饅頭だ!」「クロックスすごい!」と笑いながら走る20km。
心が「苦しい」から「楽しい」にシフトしただけで、体感する世界は全くの別物になってしまう。
これって、マラソンに限らず、私たちの生きる「この世界」そのものだと思うんです。
現実の出来事がどうであるか以上に、私たちの「心が世界をどう捉えているか」が、目の前の現実に大きく影響しているんですよね。
もちろん、気合いや心だけで全てが解決するとは言いません。
物理的な準備も大切でしょう。
でも、限界を決めてしまうのも、逆に限界をあっさりと越えさせてくれるのも、
結局は「心」なんだよね……と、
雨の中を走り抜けながら、改めて深く腑に落ちたんです。
楽しくなければ、続かない!
さらに今回は、間近で自分より速い人の綺麗なフォームをじっくり観察できたのも大きな収穫でした。
普段の大会では一瞬ですれ違ってしまう速いランナーの走りを、一緒に走りながら体感し、情報交換もできる。
一人では絶対に得られない、宝物のような学びの時間でした。
マラソンって、基本的には一人で地味にコツコツと走っていくものです。
だからこそ、たまにはこうして仲間と集まって、いろんなハプニングを面白がりながら走る時間がすごく意味を持つんだなと感じました。
モチベーションの上がり方が全然違います。
「人生もマラソンも、楽しくなければ続かない」
もっと楽しく、とにかく面白く。
いろんな感情を味わいながら、これからも走ることを、そして心を整えることを楽しんでいきたいと思います。
あなたも今度、雨の中でお饅頭を食べながら走ってみませんか?
案外、あっさりと自分の限界を越えられるかもしれませんよ(笑)。

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