実を言うと、私はかつて自動車学校で「教官」として勤めていた時期があるんです。
教習所といえば、ワクワクして通う人がいる一方で、独特の緊張感に包まれる場所でもありますよね。
私が現場で教えていた頃、よく見かけた光景がありました。
それは、指導に緊張し、不安で胸がいっぱいになり、ついにはボロボロと涙を流してしまう教習生の姿。
特に若い女の子たちが、ハンドルを握る手も震えるなかで一生懸命やっているのに、注意されて心が折れて、「もう行きたくない……」と漏らす場面に、何度も立ち会ってきました。
そんな光景を見てきた私ですが、この春からついに教習所に通い始めたわが家の娘はどうなのかな……と見ていたら、これがまた、私の想像をはるかに超える「たくましさ」を備えていたんです。
🚗 「うるさい教官」は、最高の中ネタだった!?
先日、教習所から帰ってきた娘が、リビングで妻と二人、ゲラゲラと笑い転げているんです。
話を聞いてみると、その日当たった教官が、なかなかにクセの強いタイプだった様子。
初めての運転で右も左もわからない娘に対し、横からグダグダ、ネチネチと小言をぶつけてくる「うるさい教官」だったそうです。
普通なら「もう嫌だ、明日から行きたくない」となってもおかしくない場面。ですが、娘は違いました。
「今日の教官、こんな感じだったんだよ!」
そう言うと、教官の真似を始めたのです。
「ほら!もっと右だ、右!ハンドル回せっつってんだべ!……あぁー、回しすぎだ、戻せ!なしてそうなるなや〜。目ェどこ見てんだ、前だべ、前!おーい、ブレーキ踏むの遅いってば。心臓止まるかと思ったべした、この。おっかねぇな〜もう!」
山形弁全開で、いかにも教習所の教官が言いそうな「理不尽なツッコミ」を完璧に再現。
それに対する娘の返しが、これまた愉快でした。
「いやいや、こっちだって初めてなんだから、そんなに言われてもできるわけねぇべした〜!『賑やかなおっちゃんだごど(笑)』って、BGMみたいに聞き流しながら面白がりながら運転してたわ!」
娘は、教官の小言を自分への「攻撃」として受け取るのではなく、完全に「笑いのネタ」へと昇華させていたのです。
その姿は、心理カウンセラーである私から見ても、実に見事な「心の防衛本能」であり、最強のポジティブ変換でした。
💡 心理学で見る「笑い」と「レジリエンス」

この娘の行動を心理学的な視点から読み解くと、非常に興味深いことがわかります。
- 「客観視(脱フュージョン)」の力 教官に怒られている自分を悲劇のヒロインにするのではなく、「この教官、面白いキャラしてるな」と一歩引いて観察しています。感情と出来事を切り離すことで、ストレスを受け流しているのです。
- ユーモアによる認知の再構成 「嫌な出来事」を「面白いエピソード」に書き換える。これを専門用語では「認知的再評価」と呼びます。笑いに変えるだけで、脳はそれを「脅威」ではなく「報酬(楽しさ)」として処理し始めます。
- 高いレジリエンス(回復力) 予期せぬストレスに直面しても、ポキッと折れずにしなやかに跳ね返す力。娘が真似をして笑っている時、彼女の心の中には、どんな厳しい教官も入り込めない「自分だけの安全地帯」ができあがっています。
✨ あなたの周りの「うるさい人」も、今日から「ネタ」にしてみませんか?
もし今、あなたの周りにもグダグダと小言を言ってくる人がいて、心が沈みそうになっているのなら、ぜひ娘のこの「たくましさ」を思い出してみてください。
「なんであんな言い方するの!」と真っ向から受け止めるのをやめて、「この人の口癖、あとで誰かに話すときのネタにしよう」と一歩引いて眺めてみる。
嫌な出来事を「攻撃」として受けるか、「笑いの材料」として料理するか。その視点一つで、あなたの心の平和は守れます。
理不尽な言葉を投げられたら、心の中で「おっ、いいネタが入ったぞ」とニヤリと笑ってみる。
それだけで、世界の見え方はガラリと変わるはずです。
心理カウンセラー 木村 裕
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1.『あした死ぬかもよ?』 ひすいこたろう (著) 「 いま抱えている悩みは、たとえ人生最後の日であっても、深刻ですか?」
本書の中で投げかけられるこの問いは、教官の小言を笑い飛ばした娘の姿と重なります。
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