こんにちは! 心理カウンセラーの木村裕です。
先日,本棚の整理をしていたら、ある一冊の本と目が合いました。 その瞬間、昨年の暮れの「あの光景」がフラッシュバックして、思わず一人で吹き出してしまったんです。
今日は、私の人生で最もシュールな「贈り物」のお話をさせてください。
📘 渋谷の街で、父が叫んだ言葉
舞台は、昨年の暮れの渋谷。 離れて暮らす親父とお袋がわざわざ出てきてくれて、久しぶりに3人で食事を済ませた後のことです。
「さあ、そろそろ帰ろうか」という時、親父が急に真剣な顔で言ったんです。
「いい本があるから、買ってやるよ」
電車の時間はもうギリギリ。 なのに親父は、駅への道をかなりの「早歩き」で突き進みます。
80歳を過ぎているというのに、必死に足を動かすその背中。 本屋に飛び込むなり、息を切らしながら、静まり返った店内に響き渡るようなデカい声でこう叫びました。
「店員さん!『絶望名言』ありますか!?」
……。 周りのお客さんも一瞬フリーズですよ(笑)。
必死な形相で、息子に「絶望」を贈ろうと全力投球な父親。 横で苦笑いしているお袋。
そのやり取りを後ろから見ていた私は、なんだか可笑しくて、「親父、こんな一面もあったんだな……」と、不思議に新鮮な感覚になったんですよね。
🕊️ 「死」を語ることは、不謹慎なのか?
実はこの『絶望名言』という本、カフカや太宰治など、偉人たちがどん底で吐き出した言葉を味わうという、不思議な癒やしに満ちた一冊です。
もしかしたら、NHKのラジオ深夜便でやっているコーナーを聞いて、「あ、あれか!」と気づいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
深夜の静かな時間に、ひっそりと「絶望」を味わう。 そんな番組から生まれた、不思議な魅力のある本です。
「死ぬ」とか「絶望」なんて言葉を口にすると、びっくりされる方もいますよね。 「縁起でもない」「安易に使うな」と。
でも、私はそうは思いません。
そもそも、人間というのは根底で「絶望」していていいもの。
だって、人は必ず死にます。
どんなに頑張って積み上げても、最後は等しく「無」に帰る。 いつどこで消えてしまうかわからないのが、私たちの真実です。
だからこそ、その事実を隠すのではなく、むしろ日常で意識しておく必要があるのではないでしょうか。
それは決して暗いことではなく、この「有限な人生」を全うするために、むしろ必要なことなんじゃないかなと思うのです。
✨ 2倍届いた「絶望」の正体

親父は、手に入れたばかりのその本を、まるで秘伝の書でも渡すかのように私に手渡してくれました。 「これでよし!」という満足げな親父。
でもね……私は心の中で、特大のツッコミを入れていたんです。
「……親父、それ、前にも一回もらったやつだから!!」
まさかの2冊目(笑)。 でも、あんなに一生懸命に届けてくれた顔を見たら、「持ってるよ」なんて言えません。
ありがたく受け取らせてもらいました。
死という「無」に向かう絶望を根底に持っているからこそ、今この瞬間のシュールな出来事すら愛おしく、笑いに変えられるエネルギーが湧いてくるのかもしれません。
同じ本が2冊、私の本棚に並んでいます。 それは、私を想う親父の不器用なエネルギーが、文字通り「2倍」届いた証拠。
これからは、どんな絶望も「ネタ」にして、軽やかに笑いに変えて伝えていこうと思います。
それが、2冊の本を託された私なりの答えかな,なんて思っています。
今日も、あなたの日常に、予期せぬハッピー(あるいは素敵な絶望)が届きますように!
🌈 記事に登場した「絶望名言」が気になる方へ
エピソードに登場した、あの本を少しだけご紹介します。
『絶望名言』 頭木 弘樹 (編) 正直に告白しますと、私自身は読んでみて「めちゃくちゃ面白い!最高!」と心から感動した……というわけではありません(笑)。 ただ、「前向きにならなきゃ」と無理をしてしまいがちな時、こうした偉人たちの言葉に触れると、「絶望したままでも生きていていいんだな」と、不思議と肩の力が抜ける感覚を味わえます。 今の私には、内容そのものよりも「親父の不器用な一生懸命さ」が詰まった、世界に二つとない特別な本になりました。https://amzn.to/4rLw8r7

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