誰もいない山奥で木が倒れたら、音はする?——「1人1宇宙」と心のレシピ

こんにちは、心理カウンセラーの木村裕です。

今日はちょっと、頭の体操にお付き合いください。

皆さんは、こんな哲学的な問いを聞いたことがありますか?

「誰もいない山奥で大きな木が倒れたとき、その音は鳴っているのか?」

「そりゃ、ドーン!って鳴るでしょ」と思う反面、「誰も聞いていないなら、鳴っていないのでは?」なんて声も聞こえてきそうです。

この問いを、「物理」「哲学・科学」「心理」の3つのメガネで覗くと、驚くような世界が見えてきます。

🌬️ 物理のメガネ:事実は、いつもドライ

物理学の先生にこの質問をしたら、きっとこう答えが返ってきます。

「木が倒れれば空気が振動します。それが音波です。以上。」

身も蓋もありませんね(笑)。

誰もいようがいまいが、地球の重力は仕事をし、地面は揺れ、空気は震える。 物理の世界では、「音=空気のブルブル(振動)」のこと。

だから、観客がゼロでも「物理的な現象」としての振動は確実に発生している。

とてもドライで明快な世界です。

🌀 哲学・科学のメガネ:量子力学と「唯識」が教える宇宙の正体

ところが、ここから一気に面白くなってきます。

哲学や、最先端の科学である「量子力学」の視点に立つと、答えは「NO」に変わります。

量子力学では、物質の最小単位(素粒子)は「人間が観測(注目)していないときは、波のようにモヤモヤした確率の状態でしかなく、見た瞬間に初めて粒(現実)として姿を現す」と考えられています。

つまり、誰も見ていない、聞いていないときは、現実としての「音」も「木」も、まだ確定していないのです。

これと同じことを、実は1500年も前の仏教哲学「唯識(ゆいしき)」が説いています。

「唯(ただ)、識(意識)のみ」という名の通り、「この世のすべては、ただ自分の心の働き(意識)が作り出した映像に過ぎない」という考え方です

私たちが聴いている音も、見ている景色も、すべては外に完成品があるのではなく、自分の意識が「音」「映像」として処理し、翻訳して初めてあなたの宇宙に誕生します。

これこそが、「人間は一人ひとりが、自分だけの宇宙を脳内に創り上げて生きている(1人1宇宙)」という真実です。

🕯️ 心のメガネ:その「音」をどう解釈するかは、あなた次第

さて、ここからが心理カウンセラーとしての本番です。

物理のメガネで見た「空気の振動」を、心のメガネで見た「意味のある音」に変換するのは、他でもない「あなた自身」です。

例えば、誰かがあなたの前で大きな音を立てて木を倒した(何か事件が起きた)とします。

周りの人はその振動を見て「大変だ!」「可哀想だ!」と、自分たちの宇宙で勝手に「悲劇の音」を鳴らして騒ぎ立てるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。 物理的には同じ「空気の振動」でも、それをどう聞き、どう解釈し、どんな「音」として自分の宇宙に響かせるかは、本来あなたにしか決められないはずなのです。

心理カウンセラーの重要な役目は、その人の宇宙で今どんな音が鳴っているのかを、丁寧に聴くことです。

そして、周りが作り上げた「可哀想な音」に飲み込まれそうなあなたに、こう問いかけます。

「あなたは、本当に『可哀想』なだけの音を鳴らしたいですか?」

どれほど不快な振動が伝わってきても、自分の意識次第で、そこから「光の音」を拾い上げることは可能です。

「この振動があったからこそ、新しい景色が開けたんだ」という強さや希望を一緒に見つけ出し、あなたの宇宙の物語をいい方向へ書き換えていく。

それこそが、私の大切な役割だと思っています。

あとがき 🐾

ちなみにこの前、私が机の足の角に小指を思いっきりぶつけて、悶絶しながら叫んでいたときのこと。

我が家の愛猫のコムギは、すぐ近くで知らんぷりを決め込んでいました。

私にとっては世界がひっくり返るほどの大事件ですが、コムギにとっては、何の意味もないただの空気の振動。

だからこそ、彼の宇宙はそれを「音(事件)」としてわざわざ拾わなかったのでしょう。

でもこれ、実はすごい特権なんです。

「私が意識していないものは、この宇宙に存在しない」。

そうやって余計な事件をシャットアウトしてしまえば、周りの大騒ぎや嫌なことに気を紛らわされなくなります。

存在しないものに振り回されず、いつでも自分の宇宙でゆっくり、安心して眠ることができる。

コムギは唯識を使いこなす、最高の快眠哲学者なのかもしれません(笑)。

痛がる私を横目に、今日もコムギの宇宙には、平和で心地いい眠りの時間が流れているようです。

皆さんの宇宙には今、どんな音が響いていますか?

🌈今回の記事に関連したおすすめの本を紹介します。

『「既にある」を論理する。』阿頼耶一生 (著)
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今回のテーマである「願望実現」や「現実の捉え方」を、量子力学とAIの視点から鮮やかに解き明かしてくれる一冊です。
「見えないものはデータに過ぎない」という冷徹なロジックは、精神論に疲れた心に「そうだったのか!」という深い納得感を与えてくれる、私からも自信を持っておすすめしたい名著です。

心理カウンセラー 木村裕

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